アンティーク


「そ、そんなわけないでしょ。なんで女嫌いな人がわざわざ女の人に近づくのよ」

「そんなの、知るわけないじゃない」

「はあ?」

「あんたこそ、本人たちに聞けばいいじゃない? それが出来ないからこっちに来るんでしょ。情けない」

図星をつかれたその人は、顔を真っ赤にするだけで、何も言葉を発することが出来ないでいる。

こうやっていつも私はありさに助けられて、どうして私はありさみたいに、強くなることが出来ないんだろう。

こんな自分、嫌なのに、どうしてその殻を破ることが出来ないんだろう。

四六時中、私を守ってくれる人が必ずいるわけじゃないのに……。

「なんなのよ。とにかく、もう近づかないでよ。これ以上近づいたら鈍そうなあんたでもどうなるか分かるわよね?」

その人の方を見ると、まるで蛇が獲物を睨むかのような目で私を見ている。

怖い……。

その目は、私を捕らえて離さない。

あの頃の記憶が走馬灯のように思い出されて、私は「はい」と声を絞ることしかできなかった。