アンティーク


「玲奈……?」

もう会っちゃだめだと言い聞かせると、それは私の目に涙を作って、その生まれた涙はぽろぽろと下に落ちていく。

本当は、触れちゃいけなかったんだ。

あの輝きにも、優しさにも。

最初にあのアンティーク店に行った時から、どこか他の男の人とは違う柔らかい雰囲気が心地よくて、それに甘えていた。

レオさんの笑う顔が好きで、それをこれからも見たかった。

将生さんとももっと、話をしたかった。

「ごめんね、いきなり……」

「もしかして、好きになっちゃってた?」

「違う、違うよ……ただ、2人と話しているとこんな弱い私のことを受け入れてくれてる感じがして、心地よかったの。だから、もう会えないんだと思うと少し寂しいだけ」

「少し」なんて嘘だ。

ぎゅっと心臓の辺りを掴みたくなる程、胸が苦しい。

苦しくて苦しくて、大きな声を出して泣くことが出来たら、どれだけ楽になれるだろうか。

時間を戻せるなら、あのアンティーク店に行く前まで戻りたい。

あの時ふと思ったことを、取り消したい。

そうしたら、きっと今、こんな思いを感じなくて済むのだから。

涙なんて落とさなくても良いのだから。