いつもの通り、美術や他愛のない話を俺たちはしている。
そんなことを一人でいろいろと考えていると、玲奈さんは話を続けた。
「レオさんには、アンティーク好きの友人がいて羨ましいです。私の周りには、あそこに一緒に行ってくれる友達はいないから」
と、いかにも淋しそうな表情を浮かべて話す玲奈さんに俺は
「それなら簡単です。俺が友達になりますよ」
と、閑静な住宅街に合わない、少し大きな声でそんなことを口走っていた。
でもそれは全然変なことではない、だってアンティークが好きな人、それだけでも友達になるには十分だ。
「い、いいんですか?」
その彼女の表情からは驚きが見て取れるが、むしろ自分にとってもアンティーク好きの仲間が増えることは大歓迎である。
「もちろんです。連絡先、交換しますか?」
「はいっ」
嬉しそうに笑う彼女の笑顔を見ると、自分まで嬉しくなった。



