アンティーク


「それで、話っていうのは?」

「はい……。私、実は…………ずっと虐められていたんです」

レオくんは、表情を変えずにこっちを見ている。

「いつも友人のありさだけが側にいてくれて。でも、大学に入学してレオくんと将生さんに会って、私自然と笑顔になることが出来たんです。その、お礼が言いたくて」

「実はさ……俺も、幼い頃に外国人だと言われて省かれていたんだ」

レオくんは、ふっと笑う。

「それから、愛想笑いを浮かべて一人にならないように仮面を被っていた。だけど、将生に会って、そして玲奈さんに会って、同じように心から笑うことができるようになれたんだよ」

「レオ……くん」

「だから、俺にとっても玲奈さんとの出会いはとても大切なものなんだよ。玲奈さんに会えて俺、…………心が軽くなった」

そんな嬉しい言葉、これ以上にない。

「それであの、もし自分のように苦しんでいる人がいたら、どうしたらいいと思いますか? レオくんならどうしますか?」

レオくんは、顎に手を添えてコーヒーを見つめて考えている。

「そばにいる……かな、きっと何もしなくても側にいるだけでその人は救われる」

「じゃあ、もしその苦しんでいる人が異性で、自分には好きな人がいたら?」

「それは…………。玲奈さん、誰か近くで苦しんでいる人がいるの?」

「……はい。その人のことを拒んだらいなくなっちゃいそうで、中途半端な返事をしてしまったんです」

「中途半端な返事?」

「その、告白…………されて、考えるって言ってしまって」

なんで、好きな人にこんな話をしてしまっているのだろう。