アンティーク


久しぶりに来たアンティーク店の前で、ドアノブに手を乗せたりやっぱりそれから手を離したり、私は、中に入るだけなのに緊張してしまう。

すると、内側からそれは開かれる。

レオくんの姿が、私の前に現れる。

「玲奈さん」

久々のその声に、緊張が解れる。

「こんにちは」

「そんな寒いところにいないで、中に入って」

「はい」

お店の中には、この前来た時にはなかったクリスマス仕様のものがあって、それはこの空間を特別なものにさせる。

そのアンティークに魅入ってしまい、暫く静寂が続いた。

「あ、あの」

ようやくそれから目を離すと、レオくんの方を見る。

「久しぶり、です」

「うん、そうだね」

「レオくんは、元気だった?」

「うん、最近は課題に追われてて少し大変だけど。玲奈さんもいろいろ大変そうだね」

「せっかくコンクールに出るならやっぱり上位狙いたいと思って」

レオくんとの会話は、やっぱり他の人のとは全然違う。

「うん、いい心意気」

話すたびに、私はそれを感じてしまう。

寒い日のホットコーヒーのように身体だけではなく心まで温かさが染みて、ふわふわのマフラーの様にふわっと包んでくれる感じがして、やっぱり私は誰よりもレオくんが好き。

「レオくん……私頑張るね。だから…………レオくんも頑張ってね」

「うん、ありがとう。応援してるよ」

たったその一言だけで、何日も、何十日も頑張ることが出来る。