これは、嬉しいかも……。
1人だと不安だったけど涼太君のお兄さんが
担任なら安心だ。厳しいと言っても
面倒みがよくて優しいし。

「じゃあ行こうか?あ、クラスでは、
小林先生って呼んでね」

「は、はい。よろしくお願いします」

私は、慌てて返事した。
そしてクラスに移動することに。古いが立派な校舎だ。
2年3組まで2階に上がり左側から2つ目にあった。
ガヤガヤと生徒の騒ぎ声が聞こえてくる。
あそこが私が今日から通うクラス……。

久しぶりの学校。しかも転校して新しい学校だ。
本当に上手くやれるのだろうか?怖い……。
不登校やイジメのことがフラッシュバックして
段々と怖くなってきた。
震える身体をギュッとカバンを握り締めて誤魔化した。
するとお兄さんは、ポンッと私の頭を撫でてくれた。

「大丈夫だよ。ここのクラスは、いい子達ばかりだ。
それに、俺が担任として守ってあげるから頑張ろう……」

そう言ってくれた。優しい手。
そうだ……もう昔の自分じゃない。
変わろうと頑張ってきた。もうイジメっ子は居ない。
私は、勇気を出して一歩を踏み出した。
クラスに入ると涼太君のお兄さん……じゃなかった。
小林先生は、教壇に立った。
クラス委員長が号令をかけて挨拶をすると
皆は、立ち上がり礼をして座った。
するとお兄さんは、黒板に私の名前を書いた。

「おはよう。今日は、皆さんに転校生を紹介します!
じゃあ挨拶をして」

「あ、はい。東京から来ました。
松嶋菜乃です。よ、よろしくお願いします」

緊張のあまり完全にカミカミだった。
うぅっ……恥ずかしい。
身体中が火照りそうなぐらい恥ずかしくなった。
するとクラスの皆が拍手をしてくれた。

「彼女は、実は、俺の弟とその親友と知り合いでね。
その弟関係で俺も知っているんだけど
いい子だから皆仲良くしてやるんだぞ?
じゃあ、菜乃ちゃん。後ろの空いている席に座って」

「は、はい。」

お兄さんの紹介の仕方かに驚いたが
私は、慌てて返事をして空いている席に座った。
丁度窓際の席だった。
隣は、ちょっと怖そうな目付きで背が高く
黒髪のツンツン髪の男子だった。
こ、怖い……。