そして注文すると呼び出し用のボタンを貰った。
待っている間に近くの空いたので
そこに座ることが出来た。椅子は、邪魔なので
隅っこに退かして翔馬君の車イスを設置した。
しばらく待っていると呼び出し音が鳴った。
私は、2人分を取りに行く。

私の頼んだパンケーキは、生クリームと苺がたっぷりと
盛り付けてあった。こんなに盛り付けあると何だか
テンションが上がってきてしまう。
美味しそう……。

「はい。翔馬君の分」

「お、サンキュー」

翔馬君の頼んだチョコ&バナナも生クリームと
チョコとバナナがたくさん盛り付けてあった。
こちらも美味しそうだ。いいなぁ~と見ていたら
翔馬君は、ニカッと笑った。

「ほら、シェアする約束だろ?」

「あ、うん」

私は、嬉しくなり慌てて席に座りシェアする。
ストロベリー&ストロベリー。そして
チョコ&バナナと半分ずつ。
何だかスペシャルコンボで豪華になった!
早速食べてみると……うん、美味しい。
ふわふわで生クリームとの相性も抜群。

「美味しい~」

「うん、旨い。ウチもさ。
パンケーキとか売ればいいのにな」

翔馬君の何気ない一言に納得する。
確かにパンケーキがお店に売ればいいと思う。
きっと美味しいに違いない。
翔馬君の叔父さんが作るケーキは、どれも
ふわふわでしっとしていて美味しい。
それがパンケーキになれば……。
あぁ想像しただけでもよだれが出てきそうだわ。

「うんうん。私もそう思う。
私もパンケーキ食べてみたい」

「だろ?だろ?
絶対に美味しいって……今度作ってもらおう」

「うん。それいいかも……」

その時、ハッと気づいてお互いに笑い合った。
他所のお店でパンケーキを食べながら
自分達のお店の話をしていたからだ。
これだと営業妨害になってしまう……いけない、いけない。