助かった、そう言い如月刑事は電話を切る。藍は微笑み、捜査が進展することを祈った。



翌日、藍は大河と家でフグ毒について調べていた。

「どのフグの毒なのか調べる必要があるわね」

「じゃあ、研究所からフグを送ってもらいましょう」

フグは世界では約百種類存在し、日本でも約五十種に及ぶ。五十種類ものフグを調べるのは大変だが、村松かけるはフグを食べたわけではないため一つずつ調べていくしかない。

「とりあえず、日本近海に生息している五十種類を調べましょう」

「はい。じゃあ、正人さんに電話しておきます」

「ありがとう」

藍が微笑むと、大河は頰を赤く染めて優しい笑顔を見せる。そして藍の手を優しく包んだ。

「本当によかったです。藍さん、このままずっと落ち込んだままだったらって思うと怖くて……。俺にできることがあれば、なんでも言ってください」

「大河くん、心配ばかりかけてごめんなさい。いつも助けてくれて本当にありがとう」