…意地悪な悪魔だ。




「〜〜〜っ、か、帰るっ!」




私はカバンをひっつかんで、急いで教室を出た。




「うん、また明日ー、植野さん」



 
彼の声を背中に受けながら。




「………また、明日…」




ああ、今日もダメだった。



彼、高松くんの言う明日は、放課後の15分間のこと。



……私と彼は15分間、放課後にキスをする関係。



もちろん、自分からこんな関係を望んだわけではない。



よく、好きになった方が負けという。



高松くんのことが好きな私は、彼と、彼のキスに、逆らえるわけがなかった。