ずるい。



涙も少し乾いた頃、藤原さんをむっと睨んだ。

「こんなおじさんでもキュンとしてくれんの?」

「あんまり自分のことおじさんて言わないで。私思ったことないから。」

「…ねぇ、雫、それ、睨んでるの?」

「睨んでます!めっちゃ睨んでるの!」

ふっと笑った藤原さんは私の頬にキスをした。

「睨めてないよ、かわいい。」

「なっ!」

「両思いだと、思っていいんだよね?」

私の手を握って聞く。