ずるい。


「俺はぁ!雫が上手くやらなくてもいい奴に一緒になって欲しいの!」

この店に入ってから数本目のタバコに火が灯る。

「ありがとね。」

涙が滲む目を隠すように、くしゃりと笑ってみせた。

すると、藤原さんのタバコを持つ手と反対の手が私の手首をパッと掴んだ。

「本当に分かってる?!」