ずるい。


「いや、ダメだよ。雫は幸せにならなくちゃ。そいつに雫が勿体無い気がしてる、俺は。どんなやつだか知らないけどさ、雫が甘えられる男じゃなきゃ俺が嫌なんだけど。安心させてよ。」

真面目な話とは裏腹に茶化すように、藤原さんは私の肩に自分の肩を軽くぶつけてきた。

…あぁ、いいな、この人。ほんと。この年の差じゃなければな。泣きそうだよ。

「だぁかぁらぁ、安心していいよって言ってるじゃん?どんな相手とでも私は上手くやるよ?」

お返しに私も肩をトンと当てる。