「未来に小鳥ちゃん!いいことを思い付いた!」

「え?」

突然、智君が明るく、いいことを思い付いたなんて言うからすっごい気になる。
だから自分が怒っていたことをすっかり忘れちゃったんだ。

「いいことって?何を思い付いたの?」

「今日の昼食は中庭で食べない?」

「………え?」

中庭で………昼食を?
それはちょっとまずいかも………。

「確かに、いつも教室だもんな」

「また今度にしようよ!」

「何でだよ?」

「だって………めんどくさくない?外って暑いし」

熱いから汗かいちゃうじゃん。
そんなの絶対嫌だ。

「わかった。お前、中庭まで行く体力がないんだろ?」

「はぁ〜っ?」

「まぁ、文化部と運動部じゃあな………、しょうがないか!」

「ちょっと、何がしょうがないのよ!」

私はただ、熱いから嫌だって言っただけなのに!
そんなのひどいじゃない!

「あっそ!じゃあ二人で中庭で食べれば?私はどっか違うとこで食べるから!」

と、怒った私はもう止まらない。
フンッと体を回れ右にして私は自分の席に行った。

「未来のバーカ!」

そう言って逃げた。
だって悔しいんだもん!!
全部の文化部がバカにされたみたいで………。
未来も未来だよ!
私にはいっつも意地悪して。
私は私の事情があるんだもん。
だからしょうがないのよ!
それなのにあの男は………っ。

『まぁ、文化部と運動部じゃあな………、しょうがないか!』

って………!!
ひどいにもほどがあるよ!!

「未来は私のことが嫌いなのかな………?」