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華糸は隣の席の
桜嶺結綺さんと仲良くなったみたいだ。
華糸はその人と話しているみたいだし
わたしは今ぼっちだ。
窓を覗くと桜が舞っていた。
私の一人ぼっちの気持ちを桜は分かるのだろうか。

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帰り道。
華糸は桜嶺くんの話を沢山してきた。
桜嶺くんは中学になって初めて見る顔だった。
隣の小学校から来たらしい。

「華糸はすぐ人と仲良くなれていいなー」

「えー?麗は人見知りだもんね。可愛いのに勿体ない
まぁ麗はクールでモテるからいっかぁ」

俗に言う私はモテてるってやつらしい。
でも私は恋とか恋愛とかしたことが無い。
というか人とあまり話さないから
好きという感情が生まれなかったんだ。

「麗も中学なんだし、すきなひと作りなよ?」

「えー?華糸はもういつものようにマークつけてるの?w」

「まぁねw」

明るくて楽しそうな華糸がとても羨ましかった。
小さい頃から可愛い可愛いと言われてきたけれど
私にもってないものを華糸は持っていたんだ。

「じゃ〜ねぇ!」

「ばいばい」

いつものと変わらない帰り道。
中学生になって私は変われるのかな。
不安を抱えながら
リュックを握りしめた。