「え!?」
「は?」
私と先輩が発したのはほぼ同時で
でも冬馬先輩は気にする事なく言葉を続ける
「いつもは一緒に帰ってんだけど、俺今日親が迎えにきてくれるからこいつ1人なんだよ」
「はあ…」
「だから1人は寂しいと思うから相手してやって!」
「お前勝手なこといっ…」
先輩が少し焦ったよう言いかけたが携帯の着信音でかき消される
「ごめん、母ちゃんきたみたいだわ!姫ちゃんよろしく!じゃーな!」
「ちょ…」
私の声も虚しく届かず、ヒラヒラと手を振りながら走っていってしまった
先輩は冬馬先輩が走って行った方向を向いて頭をかいている
ど、どうしよう
残された私たちの間にはまた少し気まずい雰囲気が流れる
