「お気づきかもしれませんが、今年もまた…くだらない七不思議が始まってしまいました」
放送だってのに、呆れてため息をつく大和先輩が想像できた。
「大和ぉ…いつか絶対!…いや、多分…きっと…いや、出来たら…ぶっ飛ばす!!うん、ぶっ飛ばせたらいいな!!」
『弱いな、あんた』
一応大和先輩より年上のクセに、ずいぶんと弱気だ。
「そこで、皆さんにお願いがあります。
教室に積み上げられた紙の中から、“当たり”を一枚、探し出してください。もちろん、不正は厳禁ですよ?
不正が発覚した場合は、その者を退学とし、また、当たりを見つけた場合は、その者にご褒美として、望月財閥が誇る、お好きなテーマパークの招待状を、ペアで差し上げます。
それでは皆さん、ご健闘をお祈りします」
ピンポンパンポーン──…
放送が鳴りやんだと同時に。
ドドドッ…と地響きがした。
「あー…負けたな、タツ」
仁がニヤッと笑って言った。
あ、ちゃんと区別できるように、カタカナ表記だ。
「ちっ…」
彼が舌打ちをした、すぐ後だった。
「俺をナメないでくれる?」
ガラリと扉が開いて、聞き慣れた声が響いた。
「はい、姫香」
『りゅ、竜也…?』
竜也があたしに見せたもの。
『うわ!!当たりだっ!!』
必死に探し求めていた(←3分だけ)当たりの紙だった。
「ご褒美って、魔法の言葉だよね?」
ニコッと笑った竜也に、大和先輩と同じ空気を感じた。
「姫香に頼られることはまずないよ。俺がいること、忘れないでね?」
そう言って、見せびらかすようにヒラヒラと紙を揺らした。
…かっけぇ!
竜也、超かっけぇよ!!
サラッと持ってきちゃうあたり、超かっけぇ!!


