『あたしパス!』
「は?」
呆然とする仁をよそに、あたしは生徒会室を出ようと紙をかき分ける。
『こんっなめんどーなこと、やってられませ「バカ?」
ドアに手をかけたあたしの腕を掴んだ仁は、あたしの顔を真っ直ぐ見つめ、真剣そのものな顔で言う。
え、待って。そんな真剣にバカ?って聞かれたら、逆にどう返していいかわかんなくなる!
「お前が探さなきゃ誰が探すってんだよ!」
『え、そんな情熱的に言われても…絶対誰でもいいよね?』
「よくねーよ。お前じゃなきゃ…お前じゃなきゃダメなんだよ!」
『だからなんでそんな情熱的なんだよ!たかが紙でしょーが』
「たかが!?お前に紙の何がわかるんだよ!」
『お前こそ紙の何を知ってんだよ!もうわけわかんないしっ!!』
「お前、それでも生け贄か!?」
『好きで生け贄になったんじゃないっつの!!え、ってか何?これ生け贄の仕事なの?もしかして生け贄って、別名・雑用?』
「いや、パシリ」
『言い方変えただけじゃんっ!ってか嫌だよ、あたし!仮にもヒロインだよ!?』
「自分で仮にもって言ってる時点でお前は終わってんだよ」
『あれ、なんでだろう。仁が翔平に見えてきた!』
それから……
何を言ってもお前がやれ、の一点張りで譲ってくれない仁。
仕方なく、大量の紙の中から、たった一枚の当たりを探す、挫けたら負けの作業を開始した。


