『ってな感じで。あたし、狙われてるんだよね。今日から交流祭準備が始まるんだけど…準備にまつわる七不思議は2つ。つまり、今日から2回ほど危険な目にあうんだよー!!』
芽依ちゃんに、一連の流れを説明した。
のに。
「…へぇ」
『リアクション薄ー!?』
返ってきたのは、そんな返事だけだった。
「あんたね、贅沢なのよっ!!」
しまいには、キレだす芽依ちゃん。
な、何故…?っつか贅沢って…あたし被害者ぁぁぁ!!
「イケメンに争奪されるなんて、めったに出来ない経験でしょーが!!」
出来たら一生経験したくなかったと思うのは、あたしだけですか?
「で、結局どっちを選ぶの?」
『え?』
「望月竜也か新田竜樹か」
『………。』
その決定権があたしにないから困ってるんじゃないですか。
『どーなるんだろーね、あたし』
「そんなの、あんた次第でしょ」
『えー?』
「2人がホントに姫香が好きなら、無理強いなんてしないわ。どっちが勝とうと、最終決定権は姫香にあるんだから」
『…芽依ちゃん……』
…甘い、甘いよ芽依ちゃん……
ヤツらにそんな常識を求めちゃダメだよ。
最終決定権はあたしにあったとしても、あの意味のわからない迫力と圧力で、“はい”しか言わせない空気を作り出すんだから!!!!
ピンポンパンポン──…
もうすぐ授業が始まるって言うのに、放送が入った。
この時間に放送なんて、珍しいもんだから、自然と耳を傾ける。
「ひっめちゃーんっ!!ダッシュ!ダッシュで生徒会室来て!!…あ、仁!それはこっちだ、バカー!!」
ピンポンパンポン──…
『どんな放送だよ』
とりあえず、痛すぎる視線と、翼先輩の異様な慌てっぷりから、あたしはやむを得ず生徒会室へと向かった。


