電卓……改め、機械的な残骸をそっとゴミ箱に流し込む。


ありがとう、電卓。100円にしてはキミ、よくやったよ。


涙ながらにお別れして、



『あたしにもう電卓というハンデはないっ!どーだ、参ったか!!』



と、ふんぞり返る。電卓のないあたしにこの計算をやれと言うほど、仁は鬼畜じゃないはず!



「っつか参んのはお前だろ。電卓無くして、この計算をミスることなくやれるか?」

『……………無理』



と、いうささやかな希望は砕け散った。


となると……


しまったァァァ!!!!電卓のないあたしがこの計算をミスせず解く確率なんざ、明日日本がプリンの海に沈没する確率くらい低い。いや、低いどころかありえない。


さぁ、どうする。


電卓がなくても、この計算を迅速、かつ確実に解く人材を探さねば………って。


いるじゃん!アイツが!!頭のいいアイツが!!


………ただで引き受けてくれるかな…


小さな期待を胸に、その“アイツ”に近づいた。