なんやかんやで、すーっかり!!忘れてたんだ。


“交流祭”の存在を。



『なんで、こんなことに…』



目の前に広がる、書類の山。


左手に電卓、右手にボールペンを握り、作業を開始してから早2時間。


その書類の山は、全く減らない。むしろこれ、増えてんじゃね?だってあたし、確実に片付けていってるのに!



「翼ーっ!この書類の計算、どうする?」



仁の声が響いた。



「姫ちゃんに回してぇ」

「うぃーすっ」



………。


なんの躊躇いもなく、あたしの目の前に更なる書類の山を積み上げた仁。


増えてた。やっぱ増えてた!!



『ちょちょちょ!何してんの!?』

「会長命令だから」



爽やかな笑顔で言われても、許しませんけど!?



『いやいやいや!おかしいでしょうよ!!』

「なんで?」

『なんでって!?じゃあ聞くけど、なんであたしに任せるのが当然、みたいなノリなの!?自分でやりなさいよォォ!!』

「えー。俺計算苦手だしー」

『あんた、あたしより頭いいでしょ!!』



中間テストで、運動しか出来ないバカっていうキャッチフレーズを裏切って実力発揮しちゃうくらいにね!



「だってお前……………電卓、持ってんじゃん」

『!!』



そうだった……!


あたしの手には、100円ショップで購入した、安物にしては使える、電卓が握られている。


電卓ゥゥゥ!!


あんたのせいで、あたしはなんか小数点の計算がやたら多い書類の精算的なこと、やらされるハメになったんだからァァ!!


やり場のない怒りを電卓にぶつけてみる。


バキッ



『あっ…』



で、電卓ゥゥゥ!!!!