お助け部ッ☆




「もうちょっと静かに入ってきて」




囲み取材の最中かと思えば、もう終了していたらしく。



真ん中にあるソファーに座って、そう言った兄貴と、その横に立つ2人の男。



女王様?




「ごめんねぇー。ちょっと力入れすぎちゃった☆」




てへっと謝る莉央さんに、怒る気が失せたのか、ため息をつく兄貴。




「今大事な話してるから。もう最後だし」




そう言って、横にいる2人を見上げた。



瞬間、その2人の頬が赤く染まった。



兄貴、上目遣い極めたな……




まだ兄貴を【翔子ちゃん】だと思っている哀れな人たちだ。



……あれ?あの2人どっかで……




「あ。」




スカウトマンだ。舞台袖で麻実さんが教えてくれた……



え、てか兄貴今、“最後”って言ったよな?



何人にスカウトされてるんだよ。翔子ちゃん、すご。



興味のわいた俺は、兄貴のもとへ歩み寄った。



笑顔を振りまく兄貴をおさめることが出来なくなった携帯のカメラ機能を待受画面に戻しながら。