お助け部ッ☆




「……暇。莉央さん、暇です」

「うーん…」




こんなこと、莉央さんに言ったってどうにもならないとはわかってる。



でも……



女装はとけないし、外にも出させてもらえないし、何よりすることないし。



明らかに無駄な時間を過ごす俺と莉央さん。



オレンジジュースの入っていた紙コップが、テーブルの上に重ねてある。



俺の胃袋はオレンジジュースでたぷたぷ。



もう一滴たりとも入らないだろう。



と、なると。



マジで何もすることがなくなった。




「そーだっ!翔たんとこ行こぉ?」

「兄貴のとこですか?」

「まだ取材中だろうし、笑顔振りまいてるレアな翔たん、間近で見れるよ」

「………。」




麻実さんじゃないけど、写真撮って売ろうかな。………組のみんなにでも。あ、意外と祐希とか好きそう……




「行きましょう」

「…なんでだろう、恭ちゃんが考えてることわかっちゃったかも」




苦笑いしてる莉央さんを引っ張って、ロビーを出た。










このホテル、どこまでも城にこだわってるみたいで。



ロビーにもシャンデリアがあるくらいだった。



さっきのコンテストもメインホールとかいうとこだったし…ってかメインホールってことはサブもあんのかよとか思ったり。



何が言いたいかって、商店街のど真ん中にあるには広すぎるんだよ。



もっと簡単に言うと。