お助け部ッ☆




「あそこ、見てみてください」




兄貴を凝視してた俺だけど、麻実さんに言われて目線を移す。



そこには何やら、兄貴を指差して話す、男が2人。




「彼らはスカウトマンね。コンテストが終わったら彼を、いや、翔子ちゃんをスカウトする気よ」




スカウト?



待てよ。



兄貴がスカウトされる→契約金提示→交渉→それなりの額になる→契約成立→まず最初の仕事→写真集!?




「わかった?あなた達の写真集が世に出るのはもう決定事項なの」

「………。」




この女…兄貴の行動パターンまで計算してっ…!?



さすが年上。ただの素を隠しきれないバカじゃないらしい。




「でも。それに俺が出なきゃいけない理由がないです」




たとえ兄貴がモデルになったとしても、な。




「彼は金の亡者なんでしょう?だったら1人より、2、3人で色んなパターン撮った方が売れるって考えるんじゃないかしら。ってかあたしならそうするし?」




……何も言えなかった。



実際、兄貴ならそう考えるだろうし。



ってか麻実さんが兄貴の行動パターンまで計算出来るのは、自分もそうだからみたいだし。



そうなると、それは兄貴からして正論なわけで。



やっぱ俺に逃げ道なんて用意されてないらしい。