お助け部ッ☆




「…何考えてんですか」

「大丈夫だってぇ〜」




どのあたりが?




「それにねぇ、翔たん。ファッションショーじゃなくて、コンテストだよぉ?」




軽く訂正。いや、俺としてはそんなのどっちでもいい。




兄貴がどんどん黒いオーラを出しはじめてる。



ここで莉央さんと全面対決とかなったら俺……確実に巻き添えくって死ぬ。うん。




「出ない」




一言で済ませる兄貴。まぁ…一応、大和さんには“気に入らなかったら参加しない”って許可もらってたし……




「賞金」




単語を呟く莉央さん。



一言で会話するの、やめない?



でも……兄貴を動かすには十分すぎる一言なの、これ。




「100万」




さらに追加されたその呟きは……完璧に兄貴の心を動かした。




「……俺、黒髪がいい」

「任せといてっ♪」




落ちたァァ……!


金の亡者め……




改めて…兄貴ってすごい性格してるなって思った今日この頃。




こうなったら、付き合うのが弟の運命なのだろか。



黒髪がいいって言ったはずの兄貴の手には、茶色い巻き髪のウィッグが握られていた。



………俺、茶髪?