午後3時。
「2人ともお疲れぇ☆ちょっと休憩しなよっ」
莉央が紅茶とクッキーを持ってきてくれた。
天使ッ……!!
『いやぁ、テスト勉強って辛いんだね』
「苦しいよ…」
あと3教科も残ってるのに、すでにヘロヘロな姫香と仁。
「ため込みすぎなんだよぉ〜。大切なのは積み重ねっ!毎日コツコツと♪」
カップに紅茶を注ぎながらにっこり笑う莉央。
『と言われましてもねぇ、仁さん』
「えぇ。それが出来ないから困ってるんですよ」
『だいたい寝てばっかで全然勉強してなさそうな翔平が学年首席ってのが…納得いきませんな』
「ヤツのあれは天から授かった才能ですわ、マジで」
『だってアイツ授業中も寝てるっしょ?』
「んで、放課後も依頼なかったら寝てるな」
「あ、あと晩ごはん食べた後もソファーでごろ寝してるよねぇ〜」
『「いつ勉強してんだよ」』
「翔たんすっごいね☆」
その才能、マジでください。
本気でそう思った姫香と仁だった。
──午後3時30分。
「は〜い☆翼せんせーの国語の授業ですよッ♪」
満面の笑みで、だて眼鏡をかけた先生気取りの翼が2人の前に立った。
「…コイツが2位っつのも納得いかねぇわ」
『同感。』
「え、ヒドッ!!俺がり勉だしっ」
『チャラ男がなんか言ってるよ』
「姫、そこはスルーしとけ」
「いやいや拾って!無視されたボケほど虚しいもんはないからね!?」
『「やっぱボケだったんだな」』
しらぁっとした顔で翼を見つめる2人。
「そ、そんな冷めた目で見ないでェェ!!」
気を取り直して。


