「はい、終わり」
そう言って、大和はホワイトボードの字を消していく。
「絶対忘れんな?今説明したとこさえ理解してれば、赤点は取らない。この学校のテスト問題のパターンはだいたいそんな感じだから」
「やっべ…頭爆発しそー…」
仁は頭を抱えた。
「普段使わない脳みそ、フル活用してるからだろ?」
「ひっでー!!俺だって頭使って生きてるよ!!」
『「………」』
叫んだ仁をじとーっと見つめる姫香と大和。
「可哀想な子を見るような目で見るなァァ!!っつか姫はどちらかとゆーとこっちサイドだろ!?」
『一緒にすんな、運動バカ』
「ほっとけェェ!!」
「まぁまぁ」
大和はぎゃあぎゃあ喚く仁をなだめるように、
「大丈夫。たとえ運動しか能がなくても、たとえ何回教えても理解しない哀れな頭だったとしても…お前ならたくましく生きていけるさ」
と言って笑った。
「結局テメェは何がしたいんだよっ!!けなしたいのか!?それとも励ましたいのか!?」
「…生きる希望を失ってほしい」
「死ねってかァァ!!遠回しに死ねって言ってんのかァァ!!」
『仁、諦めの悪い男は嫌われるんだよ?』
「諦めって何を!?人生を!?」
なんかコイツらと喋ってると生気吸いとられそう!!
とか本気で思った仁だった。


