「はいっ、テスト範囲終了☆」
莉央は教科書を閉じた。
『「ありがとーございましたあー…」』
脳みその許容量がいっぱいいっぱいになってしまった2人は、頭から煙が出そうな勢いだった。
「1教科目でそんなに疲れちゃってぇ…2人とも大丈夫なの?」
『大丈夫じゃないッス…』
「だから勉強してるんッス…」
「……頑張ってね?」
『「ふぁ〜い…」』
1教科目で早くも脳みそ爆発寸前の2人。
果たして……
全教科勉強出来るんでしょーか??
──午後2時15分。
「範囲は…物質の構成と構成粒子か。簡単だな」
2教科目は大和先輩の理科。
いやぁ、なんか大和先輩、理科っぽい。
自分でも何言ってるかわかんないけど……
理科っぽい。
「大和ぉ、雰囲気出そうぜ。白衣着てっ!」
「なんで雰囲気出すのに俺が白衣着なきゃなんないんだよ。っつかなんで持ってんの…」
白衣を大和先輩に差し出す仁。
どっから出した?
でも…絶対似合う……
渋々白衣に腕を通す大和先輩。
『…ここまで白衣着こなす人初めて見た……』
てなくらい似合ってた。
「当たり前じゃん。大和ん家、病院だもん」
『なるほど、どーりで……ってマジでェェ!?』
「マジマジ。知らなかったの?」
『知らねぇよ!大和先輩、なんで言ってくれなかったんですか!?』
「……聞かれなかったから。自分から言うのもメンドーな話だろ?」
出たァァ!!
翔平一族再びッ!!
「俺の家の話はどーでもいい。今はテスト勉強を第一に考えないと、2人とも本気でヤバイから」
『「はーい」』


