さて、困った。
こんなにサービスついてちゃペナルティ軽くしてなんて言えない。
『やっぱ勉強するしかないかぁ……』
「そーしな。幸いあんたの周り、秀才の集まりじゃない」
『え?』
「お助け部。みんな上位よ」
『マジで?』
「マジで」
アイツらに弱点はないのか!?
…あ、常識だ。
普通を知らないんだった……
「あ、姫香ここにいたんだ」
ガチャリとドアが開いて、竜也が入ってきた。
ほら、ノックしないもの。突然訪問だもの。
「あら望月くん。いらっしゃい」
動じてない…ってことは常習犯だな、コイツ。
「おはようございます。理事長」
ニコッと100点満点の笑顔。
『どしたの?』
「ほら、早く戻って。勉強しないと!今回は特別、補習組には入れないんだから」
『え?どーゆー…?』
「続きは部屋に戻ってから!大和が説明してくれるよ」
竜也はあたしの手を取ると、グイグイ引っ張って歩き始めた。
『ちょ!?あ、みっちぃまたね!!』
「いつでもいらっしゃい」
そう言って2人を送り出した。
青春ねぇ。
あーぁ、なんかあたしも恋したぁい☆
未だに独身の理事長は1人そう思っていた。


