お助け部ッ☆




『……怖いんですけどぉ!!』




22時、過ぎてます。


だだっ広い校舎にあたし一人。




『すっげー怖い!!っつか突き当たりを左にって……突き当たんないんですけどォォ!!』




どこまでーも続く、ながーい廊下。


突き当たりが見えない直線。




『もぉやだあ…』




ヤバイ、腰抜けそう……


あたしホントお化け屋敷とかダメなタイプなんだから!!


夜の学校って気持ち悪いくらい怖い……


しかも広すぎんだよ、ココォォ!!




カタン…




『うぎゃあぁあぁぁあぁあっ!!』

「ぉわ!うるせっ」




う、うるせ?




完璧に腰の抜けたあたしは、廊下に座り込んだまま恐る恐る振り向いた。




暗くてよく見えないけど、さっきの声的に多分、男の子が立ってる。




「こんな時間にこんなとこで何してんだ?」




あたしの目線に合わせるようにしゃがんで聞いてきた。




『それこっちのセリフ!!』



いきなりカタン…とか、このシチュエーションで出すんじゃねぇよぉ…




『お、お化けかと思った…』




あたしは心底安心して、ため息混じりに言った。




「お、お化け?!うそ!?どこ?!」




キョロキョロと辺りを警戒しながら見る男の子。




『や、あんただし…』




間違っただけだ、と伝える前に、勘違いした男の子が叫んだ。




「はっ?!俺…死んでる!?」




声が真剣だから、焦って続けた。




『違うっ!!いきなり!あなたが!出てきたから!私は!あなたを!お化けと!思いました!!以上っ!!』




あたしがそう叫ぶと、




「はじめっからそー言えよぉ。気づかねぇうちに死んだのかと…」




と、それも真剣な声で言った。



なんだコイツー!!
これは天然なのか!?