「ほら、この学校寄付で出来てんじゃん?
寄付してくれる側の許可ないと入学出来ないんだよね〜」
『マジで?』
「マジマジ。超名門の金持ち学校並みにキレイで広いのに、公立高校と料金かわんない私立高校……
そんな学校がさほど有名じゃないのには、こーゆーめんどくさいことがある上に結構採点が厳しいから」
マジかよ!!
オーディション?歌ったり踊ったりすんの??
『ダメだ、みっちぃ。あたし落ちる!なんとかなんない?』
「まぁ…オーディションが嫌なら普通に入試テストって手もあるけど……」
『えっ!?』
そりゃテストのがいいでしょ!!
「ちなみに偏差値、結構なものよ?」
『うっ……』
あたしは言葉に詰まった。
あたしの中学時代の成績といったら……
よく高校に受かれたもんだって担任が腰を抜かしてたぐらいだもん。
せっかくギャフンと言わせてやれたのに1日で退学……
あたしの努力って一体……?
若干脱線したけど、あたしが途方に暮れて落ち込んだのは事実だ。
「や、あんたなら大丈夫。オーディション受かるよ」
何を根拠に…
笑いながら背中をバシバシ叩いてくるみっちぃを睨む。
「お助け部に気に入られたみたいだし?」
『お、おた??え、なんて?』
「別にー?」
最後、なんて言ったか聞き取れなかったけど……
大事なことだったら普通、言い直すよね?
言い直さない=そんなに大事なセリフじゃなかった!
そういう方程式を頭の中で作り上げたあたしは、深く追求しなかった。
後々、その【お助け部】に振り回される学校生活が始まるなんて、想像もしてなかった。
ってゆーか想像出来るわけないじゃん!!聞き逃してるのにッ!!


