今日、入江先生からのお誘いメモをもらった時、
こんなことになるなんて
全く予測なんてしていなかった
同僚同士の学校外での用事
その程度しか考えていなかった
でも始まった用事はサプライズばかりだった
ウエディングドレスにドキドキしたり
入江先生の運転する姿にキュンとしたり
駆け落ち疑いありのカップルにハラハラしたり
彼らには幸せな空気までお裾分けしてもらえた
そこまではよかった
それなのに
なんでそこから
あたしは入江先生のことが
職員室でトナリの席の同僚教師ではなく、
ずっとスキと想いを寄せている人に
見えてしまったのだろう?
「気を遣わせてすまない。でも、居てくれて心強かった。」
入江先生のその言葉は
今日の自分に後悔し始めているあたしの心に
更に複雑な想いをもたらした。
【気を遣わせた】
それはやはりあたしの一瞬の気の迷いでスキと言ったを思っているんだというガッカリとした気持ち
【居てくれてよかった】
それは、彼の心の中であたしの存在がちゃんとあるということを示しているのではないかという期待感
そんな複雑な想い
そんな答えのせいであたしは
『心強かったと言って頂けて光栄です。』
オトナの女性のフリをして強がった模範解答をするしかなかった。
ついさっき電話で入江先生のことを呼び出した人のところへ向かおうとしている彼に。



