“やっぱり付き合えません。ごめんなさい”
次の日わたしはそう送った。
“嫌だけど、それが理沙の本当の気持ちだもんな”
今度こそ、終わった。
短い、恋だった。
たった3ヶ月くらいの出来事だった。
でも、私の中ではちゃんと恋をした、という実感があった。
それからもお店にはちょくちょく顔をだしてくれたけれど、わたしはほとんど対応することなく月日はすぎた。
「俺、大阪に異動になったんです。だからもうここにくるの最後になりました」
そして1月。翔くんはお店にくるとそういった。
「ここのごはん本当においしくて、元気もらってました。ありがとうございました」
翔くんはそういうとここでの最後の晩餐を食べて、帰っていった。
わたしはその後ろ姿をみて、「ありがとうございました」とつぶやいて深くお辞儀した。
どうかお幸せに。そんな意味もこめて。
fin



