社長の溺愛にとかされて

「そーいや、今度の土曜、社長ごめんな」

「何の事です?」

「・・・って余計な事言っちゃったかな?何でもない、これありがとう」

そう言って、じゃと本庄さんは、自分の仕事に戻って行った。

土曜?

私は慎也から何も聞いていない。

慎也も全て私に報告する義務はないんだし、

気になって、夕方誰もいない事を確認して、慎也の机の上を見た、
保護のフィルムの下に、

グラディアーノホテル、11時、彩(あや)と書かれたふせんを
見つけてしまった。

彩って・・・女の人の名前・・・

胸がどくん、どくんと音を立てる、

違う、浮気とかなら、会社にメモ残したりしないはず。

そう思いつつも、胸の動悸は収まらなかった。