社長の溺愛にとかされて

「玲緒奈の事、本気だよ」

会社には2人しかいないとは言え、始業そうそう口説く慎也に呆れつつ、
言葉をかみしめる。

私の事、本気で好きって事よね・・・

胸がきゅっとなるのを感じる。

慎也は本気だ、それはまったく疑っていない、
なぜ私なのか、どうして急にと言う疑問は残るけど。

言う事を言って満足したのか、オフィスのパソコンを立ち上げ、
きりりとした表情で書類のチェックを始める慎也を見つめる。

長い睫毛、茶色い髪はさらさらしていて、
少し無造作にしているものの、まとまっており、ちゃらさはない、
整った顔に計算しつくされたように、顔のパーツがはまっている。

一言で言ってしまえば、かっこいい。

今風でありながら、社長業をこなすだけあって、
どこか貫禄があるのも、彼の魅力だと思う。

そんな彼に口説かれて、正直嬉しい。
彼氏もいないんだし、付き合ってしまえばいいのかもしれない。

しかし、それができない理由がある。