社長の溺愛にとかされて

ガチャンと戸が開く音が響く。

「社長、おはようございます」

「おはよう、社長はいいって言ってるだろう」

長い足で書類を避けながら、社長の東堂慎也(とうどう しんや)が
私に近づいてきた。

「ここはオフィスですから」

「敬語もいいって言ってるのに・・・ま、そうゆう所も好きだけどな」

好きと言う言葉にどくんと胸が高鳴る。
2か月前ぐらい前からだろうか、
慎也が事ある事に好きと言うようになったのは。

社長の慎也はまだ26歳、大学時代に友人と会社を立ち上げ、
私も大学時代からの付き合い。

勝手知った仲とは言え、他のスタッフとの関係もあり、
私は勤務時間は敬語を使うようにしてる。

「最近、朝早いですね」

前は11時ぎりぎりの出勤だったのに、最近9時の始業に合わせ、出勤してる。

「少しでも、玲緒奈と一緒にいたくてね」

さらりと爆弾発言をして、自分の机に座る。
その後じっと自分を見つめられ、胸がどくどく言う。