社長の溺愛にとかされて

その後、メインのステーキを食べる時も、
慎也にせがんで、白鳥さんの話をしてもらった。

父親の残した1000人のアドレスに、
葉書や手紙、メールなどを一気に出して、
ホテルが4か月全て埋まり、予約待ちになり、
大わらわになった話しや、

旦那様も、白鳥さんに、きつい言葉を投げかけつつも、
その言葉は全て、白鳥さんの為になる事で。

オーナーで誰も注意できない中、
旦那様が彼女を育て、フォローして、
結局、一生懸命な彼女に落ちてしまったんだな、と聞いて。

あの背筋をピンと伸ばした、
まだ25歳の女性に、どんどん惹かれていった。

「私、このホテルと白鳥さんのファンになりそう」

極上のステーキを味わいながら告げると、

「また、話しする時間作ってあげるよ」

と慎也が話してくれた。

「大丈夫なの?」

「産休は取るだろうし、その時なら時間もあるんじゃないか?」

「そうね」

慎也の提案に心動かされていた。