社長の溺愛にとかされて

「それと」

そう言って、ソムリエを呼ぶ。

ワインの瓶から、綺麗な赤の液体がグラスに注がれる。

「このワインは私からのプレゼントです、
 株式上場を果たされたとお聞きしましたので」

「ありがとう」

そう言って、慎也が一口ワインを口に含むのを見て、
私もワインに口を付ける。

飲んだ瞬間、口に甘さが広がり、驚きに包まれる。

「え、凄い甘い!美味しい!!」

「気に入って頂けましたか?」

「何か特別なワインなんですか?」

今まで飲んだ事のない、芳醇な甘さに、
ついつい白鳥さんに聞いてしまう。

「このワインはアイスワインと言いまして、
 冬に凍ってから収穫したワインなんです、
 ですので、甘さが凝縮され、とても甘いワインが出来上がります」