社長の溺愛にとかされて

レストランもホテルに劣らぬ重厚な雰囲気で、
食事している人も、みなフォーマルな服装をしている。

ウエイトレスに案内され、予約されていたテーブルに、奥まった場所で、
テーブルには真っ白のテーブルクロスがセッティングされている。

コースはすでに予約で伝えてあるのだろう、
特にメニューなどは用意されてなかった。

そこにまだ若い女性がやってきた、
服装からして、ホテル関係者であるものの、
単なるスタッフではない事が分かる。

「ようこそ、アルシェンヌにいらして下さいました」

上品で、お手本のような笑顔を浮かべた女性が挨拶をする。

「久しぶりだな、白鳥」

慎也が親しそうに話かけるのを見て、え？と思う、
知り合いなの？

「ご無沙汰しております、東堂様
　本日は、素敵なパートナーとご一緒でいらっしゃるのですね」

「ああ、彼女は藤澤玲緒奈」

その言葉に、頭を下げ「玲緒奈です」と告げる。