慎也が迎えに来てくれたタクシーに乗りアルシェンヌへ。

白いワンピースを着た私に、「可愛いね」と言ってくれて、
ほっとすると共に、満更でもない気分になる。

そんな慎也の服は、シルバーの三つ揃いのスーツで、
完璧なフォーマルな服。

普段も社長で、取引先と会う関係上、そこそこフォーマルな服装なものの、
ネクタイは必要な時にしかしなかったりと、どこか崩した感がある。

今日みたいな、隙のない完璧な装いなんて、
今日が初めて見たんじゃないかってぐらい、新鮮。

前髪も少し上げ、品のある空気を纏った慎也に、
心臓はどきどき言う。

かっこ良いのは知ってたけど、今日は反則じゃない?

あまりのかっこ良さに、慎也を見つめていると、
ふと慎也も私を見て、ふわりとほほ笑んでくれる。

見てたの気づかれた?と言う気まずさと共に、
その笑顔にきゅんとなる。

特別な空間のせいなのよ!と言い訳しつつ。

慎也のたわいもない話に、相槌を打っていた。