それから経理の私は目が回る程働き、会社は無事上場した。

従業員も株主になれる制度があり、私もGAIAの株主になった、
ほんの少しの株だけど、この会社の一員である自覚が強まり、
他のスタッフ達も、さらに会社を成長させる事を、
喜びに感じているようだった。

全て順調。

慎也の事を除けは。

やっと気づいた、慎也の事好きだったんだと。

ううん、本当は好きだと、とっくに気づいていた、
ただ、過去を理由に、気づかない振りをしていただけで。

慎也は何もないように接してくれている。

もう、次の恋でも探し始めたんだろうか。

慎也が他の女性に笑いかける所を見て、傷ついて。
傷付かないように、付き合わなかったのに、結局傷つくのね・・・

そんな事を考えている自分に、ますます自信がなくなっていく。

例え、好きと言う気持ちを自覚した所で、
付き合うのが怖くて、何もできない自分を知ってる。

恋愛って、どうしてこんなに難しいんだろう、
こんなに苦しいのに、どうして好きになっちゃうんだろう。

(慎也!)

決して届かない思いを、胸が張り裂けそうな思いで抱えていた。