そうやって話していると、料理が次々と運ばれてきた。

机には、エビチリ、小籠包、八宝菜、ジャージャー麺が並んでいる、
最後に杏仁豆腐が来る予定。

「食べていい?」

勢いよく聞いた私に、「いいよ」と含みのある笑顔で言ってくれる。

「何?その笑い・・・」

その言葉に、「っくく」っと横を向いて、手を口に当て笑っている。

「どーせ、子供っぽいとか思っているのでしょう?」

「いや、美味しそうに食べてもらったら、一緒にいる俺も楽しいよ、
 まず、何食べたい?」

「エビチリ!」

そうゆうと「はい」とテーブルを回して、エビチリを私の前にしてくれた。

「いただきます」と小皿に3つ程乗せ、一つを頬張る

「うーん、最高!」

プリプリしたエビの触感はそのまま、市販品のような衣もなく、
エビ本来の旨味が楽しめる。

本格的なだけあって、舌にピリリとした辛みは残るが、
しくこくなく、いくつも食べられそう。

慎也は小籠包を手にしている。

小籠包はベーシックな物の他に、カニ味噌小籠包と、
ヘチマ小籠包が並び色鮮やかだ。

「小籠包好きなの?」

レンゲの中に小籠包を入れ、箸で皮を破き、
スープが溢れたのをすすっている。

「上海行った時の事を思い出す」

「ひょっとして、南翔饅頭店?」

「そうそう」

有名すぎる老舗レストランで食べたんだ・・・
多分『うらやましい』と顔に書いてあったのだろう。

こっそり、「日本にも店舗あるから、今度一緒に行こう」
と言ってくれた。

「で、話しあるんだろう?」

いきなり話がかわって、一瞬うっと詰まる、
今の楽しい雰囲気を壊したくないなと思って、提案してみる。

「う・・うん、でも後でいい?バーとかで話したい」

「ああ、分かった」

お互い料理をシェアしながら、美味しい料理に舌鼓を打った。