Until now I have been looking for you

「群れないと生きていけないくせに」

「本当は私のことを馬鹿にしているくせに」

「私のことなんて本当はどうでもいいくせに」

グルグルとそんな考えが常に回っている。マナはただ歩き続けた。

その時、マナの耳に「ニャ〜」と小さな声が聞こえる。マナが声のした方を見ると、大きな木の上の方で子猫が震えていた。どうやら、気に登ったまま降りれなくなったらしい。

「ニャ〜、ニャ〜」

子猫は必死にマナを見つめ、助けを求める。マナはニコリと安心させるように微笑む。マナがカナダに来て初めて笑った瞬間だった。

「大丈夫よ、私があなたを助けるわ」

マナがそう言うと、子猫は鳴くのをやめて大人しくなる。安心したのだ。

マナは天使の姿に変わる。空を飛んで助けた方が早いと思ったからだ。

マナは動物は好きだ。人とは違い、差別をしたりしない。だから動物の前では心からの笑顔を見せることができる。

マナはふわりと空を飛び、子猫のいる枝へと向かう。そして、優しく子猫を抱き上げ、「もう大丈夫」と優しく言った。