Until now I have been looking for you

マシューはそう微笑み、学校へと自転車を走らせていった。マナはその後ろ姿をジッと見つめる。

マシューはマナと話している時、時々不思議そうな顔を見せる。それがなぜなのかマナにはわからない。天使である、ということはマナ以外知らないはずだ。

「変わった人間」

マナはそう呟き、また水やりを再開した。

近所の人と関わっているうちに夕方を迎えた。自宅でできる仕事と話したので、家に一日中いることは問題ではない。

マナは道を歩き、スーパーへと向かっていた。天使なので食事を取らなくても生きていけるのだが、買い物に行かないとなると怪しまれてしまうと思ったからだ。

カナダで暮らし始めてもう数ヶ月。近所の人はマナを信頼していて、ホームパーティーに招待してくれることも少なくない。

人間は、マナのことをアジアの顔立ちだからと馬鹿にしたり仲間外れにすることはない。それが嬉しいはずなのだが、マナは同時に毒を吐いてしまう。