マナがそう言うと、神様は「よろしく頼む」と微笑み、マナと固い握手をした。

マナは鏡を見つめる。白いリボンのついたワンピースとふんわりとしたスカートに白い白鳥のような翼。しかし、顔立ちはその衣装とは不釣り合いの東洋人。この顔が、マナは嫌いだ。

「行ってらっしゃい」

「行って参ります」

神様に微笑み、マナは鏡の中に飛び込む。まるで水の中に飛び込んだかのように、マナは冷たい何かに体を包まれた。しかし、その冷たさがとても心地いい。

「この地図の場所へ!」

マナはそう言い、持っていた地図を広げる。この鏡は地図の場所へ連れて行ってくれるのだ。無駄に体力を使わずに済む。

白い光が人間界に到着したことを告げた。

目を開けると、誰もいない裏路地にマナはいた。服は天使の格好ではなく、明るい色のボリュームブラウスとジーンズというラフな格好になっている。

「……」

何も言わずにマナは裏路地から出る。すると、街並みを見て目を見開いた。

「ここはどこなの?」