「あの子はマナ。関わらない方がいいんじゃないかしら」

天使たちは死者にそう言い、マナの方を見て嗤う。マナはフードをかぶり直し、すぐにその場を離れた。

マナは生まれた時からこの姿だった。西洋の顔立ちをしたみんなの中で自分だけ東洋の顔をしている。この見た目のせいで、さっきのように馬鹿にされることも、仲間外れにされることも多い。

でも、何百年もそんな風に言われ続け、仲間外れにされ、今さらマナは悲しいとは思わなくなった。傷つくことも、独りが寂しいとも思わなくなった。いつからか、涙があふれ出ることもなくなった。

「……群れることでしか生きられないなんてね」

マナはそう呟き、城へと急ぐ。好奇の目は突き刺さるが、構わない。

傷つくことなど、何もないのだから。



神の住む城は、中世のヨーロッパのような豪華で美しい城だ。そこの大広間へとマナは進む。

「イェール様、マナです」

真紅の絨毯が敷かれた大広間。金色の立派な玉座には白い豪華な衣装を着た男性がいた。この人が神様だ。