「そう、マナは何も悪くない」

懐かしい声が聞こえた刹那、パチンと音が響き渡る。そしてマナたち以外の人間の動きが止まった。時が止まったのだ。

「久しぶりだな、マナ」

白い豪華な衣装を着た神様が姿を現す。「神様」とマナが呟くと、「えっ!?」とマシューが驚いた。

「全て、マナのことは見させてもらっていた。マシューと関わり、君は愛を知った。涙や痛み、感情を取り戻した。素晴らしい成長だ。人だけでなく君の心まで癒えた」

神様はマナの頭をそっと撫でる。その温もりにマナはニコリと微笑んだ。心からの微笑みだ。

「君に新しい仕事を与えよう。人として生きなさい。人として生きて幸せになりなさい」

神様がそう言った刹那、ふわりとマナは光に包まれる。光が消えた時、マナは気が付いた。天使の力がなくなっている。

「私、人に……?」

「そうだよ、人になったんだ。歳をマシューとともに重ねることができる。……君は、天使としてより人として生きた方が幸せになれる」

神様の言葉にマナはまた涙をこぼす。マシューが「やった!」とマナを抱きしめた。