病気の時は、いつもより人の気配に敏感に なる気がする。 弱っている時に、近づかれたくない。 家族でも、何となく嫌だ。 話し声も、食器の音も、なんとなく嫌だ。 ぽうわりぽうわり 熱い熱い布団の中、でも、出たら途端に 鳥肌がたつような、極端な、どうしようもない 状況。 私はただ一人、カーテンから月明かりがほのかににじんで、いつもは暗いと思う明るい部屋で 浮遊しているようだった。