葵羽ルート 7話「どうして?」




 それからと言うもの、彩華は彼に話をしようと試みるけれど、なかなか切り出せずにいた。
 タイミングが合わなかったり、言い出しにくかったりしたのだ。
 
 あれからの葵羽は特に変わらずに優しい彼だった。けれど、相変わらずに葵羽の自宅には呼んでくれなかった。
 葵羽の自宅に行けば、何をするのか何てわからないほど子どもでもない。付き合ったことがなくても、その意味だってわかっている。
 けれど、彼の部屋へ呼ばれない理由の方が、彩華は心配で仕方がなかった。


 「彩華さんはクリスマスは空いていますか?」
 「え…………」
 「ボーッとしてるね。お酒飲み過ぎたかな?」
 「ご、ごめんなさい…………。大丈夫です」
 

 今日は前回行けなかったレストランでの食事だった。「少しお洒落をしてきて」と言われていたので、ワンピースに少し高めのヒールを履いて、髪も巻いたりして準備をしていた。
 迎えに来た彼はいつも通りかっこよかったけれど、前と同じようにスーツ姿だった。
 そんな彼が連れていってくれたのは、ホテルの最上階にあるレストランだった。
 
 ホテルに車を停めた瞬間に、高級ホテルとして有名なため、もちろん彩華にもその場所がわかった。


 「あ、あの………このホテルですか?」
 「うん。前回デートをキャンセルしてしまったお詫び。それに、いつも料理を作ってくれるから。ここ来たことあった?」
 「いえ、こんな素敵な所………来たことなんてないです」