夕食の後。
 彩華と葵羽はお酒とお菓子をリビングのテーブルに並べ、電気を消してキラキラと光るクリスマスツリーを眺めていた。大きなブランケットを1枚、2人で足元に掛けながら、彩華は彼の肩に頭を預けながら、ボーッとクリスマスの雰囲気を楽しんでいた。

 彼の体温や香りを感じ、夜の時間をゆったりと過ごす。それが何よりも楽しかった。


 「彩華さん、酔って眠くなりましたか?」
 「いえ………何だか、こうしたくなってしまって………」
 「甘えてくるので、酔ってるのかと。そういうのは男としては嬉しいですよ」
 「酔ってしまうと素直になれるのかもしれませんね………時々お酒の力を借りようかな……」
 「何でも言ってくれていいんですよ」


 葵羽は、そう言って彩華の頭に唇を落とした。
 そして、自分の頭を彩華の頭に優しくくっつける。2人でクリスマスツリーを見つめると、葵羽が口を開いた。


 「少し前まで誰かとこんな風にクリスマスを過ごすなんて考えられませんでした。特に女性とはそんな関係になるなんて思っていませんでしたし、一生一人で生きていくつもりでした」
 「……葵羽さん」
 「けれど、彩華さんに会ってから全てが変わりました。この人ならば信じてみたい、そう思えたんです。……私の神社は縁結びの神様なのかもしれませんね」
 「ふふふ。そうですね」