幼なじみの不器用な愛情

隆弘に声をかけたのは高橋だった。その横には華がいた。

見られた・・・。

来んな・・・


そう願ったのに高橋は近づいてくる。
「珍しいなお前が女の子に連絡先教えるなんて。」
隆弘が冷やかしに来る。
「うるさい」
「よかったな。あれ？バスケ部だった子？確か3年生だよな？」
「はい」
華がちらりと隆弘を見る。目のあった二人は愛想笑いを浮かべた。
「かわいいな。隆弘が連絡先を教えるなんて脈ありだから頑張れ」
高橋は悪気があって言っているわけじゃないと隆弘はわかっている。
「うるさい。」
「照れるなって。じゃあ、俺たち邪魔しないで行こうか？」
高橋が華に手を出す。その手を華が握るのを見ると隆弘の心が再び痛みだした。